横浜家庭裁判所から書類が届いたら

横浜家庭裁判所から書類・手紙が届いた場合,それは調停期日の通知です。

今回は相続の調停について,相手方の立場での対応を説明します。

1.期日への出席

2.弁護士をつけるかどうか

3.調停期日の進行

4.注意点

5.今,やるべきこと

1.期日への出席

 第1回期日は,こちらの予定も聞かずに日時が指定されますので,欠席しても怒られません。しかし,第2回期日には出席できるようにしましょう。

 横浜家庭裁判所の調停期日は,たとえば調停1係であれば,調停期日は月曜日と木曜日などと決められているので,横浜家庭裁判所に電話をして,曜日を聞き,第1回期日の1か月から2か月後くらいのその曜日で,出席できる日をいくつか伝えるのがよいでしょう。

2.弁護士をつけるかどうか

 「自分は遺産はいらない」などという場合は,弁護士をつける必要は全くありません。

 しかし,①他の相続人と公平に分けたいなどの希望がある場合で,②争いが法律的な事柄で,③争いの金額が弁護士の費用を出しても経済的に見合う,のであれば,弁護士を付けた方がよいです。

3.調停期日の進行

 調停室の中には男女各一人の調停委員さんがいます。調停の節目には裁判官である3人目の調停委員が加わります。

 その調停室に対立する相続人のグループごとに交互に入ります。相続人のグルーブは通常2グループが多いですが,3グループになることもあります。

 ほとんどが遺産分割の話合いです。

4.注意点

 遺産の前提問題と言われる遺産の範囲や相続人の範囲に争いがある場合は注意です。これらの問題は地方裁判所で判断されるものだからです。これらの問題について,家庭裁判所の遺産分割調停・遺産分割審判内での解決を目指すかどうかは,次のように分類して考えるべきです。

 遺産の前提問題について家庭裁判所が判断できないもの(A),遺産の前提問題について家庭裁判所が判断でき,しかも自分に有利に判断されそうなもの(B),遺産の前提問題について家庭裁判所が判断できるが,自分に不利に判断されそうなもの(C)に分類する。Aは協議離婚の取消し,認知無効,嫡出否認の訴え,父を定める訴え,相続人の廃除など。Bは遺産の範囲の問題で,自分が古くから保管している金融資産について他の相続人が根拠なく「死んだ人のものだ」と主張しているようなケース。Cは遺産の範囲の問題で,他の相続人の登記名義になっている不動産について,自分が「それは死んだ人のものだ」と主張するケース。なお,胎児がいるケースは胎児の出生を待ちながら,調停を続けてもよいだろう。

 ACは調停を止めてもらって訴訟すべきである。Bはそのまま調停をつづけてもよいだろう。

5.今,やるべきこと

 どういうことが争いになるのかを判断あるいは予測し,前記の2.や4.の考えを固めるべきである。

 申立人はある程度しっかり準備して申立てをしている。横浜家庭裁判所からいきなり書類が届いたあなたは,申立人に対して準備不足であることが明らか。今すぐ始めるべし。

どこの弁護士に依頼するか?

記事の要約 “

亡くなった親など被相続人が遠方に住んでいた場合,その住所地の家庭裁判所(管轄家庭裁判所)で,相続の事件が持ち込まれることが多い。

相続人は,自分の住所地の弁護士に依頼すべきか,裁判所のある土地の弁護士に依頼すべきか

経済的な負担を考えると裁判所の土地の弁護士に依頼すべきである。 

具体的なケース

 たとえば,あなたが青森,北海道とか福岡,九州とかに住んでいて,親やあなたの兄弟が神奈川県内に住んでいるとする。そうすると相続の調停や審判(遺産分割調停・遺産分割審判)は横浜家庭裁判所で開かれる可能性が高い。

 横浜市内であれば,横浜家庭裁判所,川崎市であれば,横浜家庭裁判所川崎支部,相模原市であれば,横浜家庭裁判所相模原支部,小田原であれば,横浜家庭裁判所小田原支部である。

どこで頼むかで費用がぜんぜん違う

 あなたがあなたの住所地の弁護士に頼んだとするとその弁護士は遠方から新幹線や飛行機を利用して横浜家庭裁判所に出廷することになる。そうすると一日仕事であり,一期日あたり日当10万円は覚悟しなければならない。交通費もばかにならない。経済的には不利である。午前中の期日に出頭することもまず無理。泊りがけになってしまう。

 地元の弁護士に頼むメリットは面談打合せが容易にできるという点であり,この点を重視するならよいが,通常は費用負担が重い。

打合せの手段は多い

 まして,現代社会,メール,電話,ライン,手紙などで遠方の弁護士との意思疎通はそれほど苦にならない。面談打合せも必要であろうが,面談打合せの回数はそれ程多くなく,あなたが観光を兼ねて弁護士事務所に出張すればよいことである。

結 論 !!

 とすれば,事件を取り扱っている(事件が係属している)家庭裁判所の近くの弁護士に依頼した方がよいということになるのだ。